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「家の保険」は強い味方

2008年10月22日

  • 筆者 オーストリア・パッハー眞理 家賃月15万円のウチ

写真演奏家に人気の古い建物写真オーストリア調のダイニング写真機能的なシステムキッチン

 オーストリアは観光をはじめ鉄鋼などの産業も盛んだ。人口160万人の首都ウィーンには国連機関があるため、多くの外国人が住む。ユーロ高に伴うインフレで、家賃もここ2〜3年の間に高くなる一方だ。月額15万円の家賃を払えるのは、やはりそれなりのキャリアを持った人だろう。

 市内で一軒家はあまり目にしない。市民の61%が賃貸マンションに住んでいる。最低賃貸期間は法律で1年3カ月と決められていて、退去する場合は3カ月前に大家に申し立てる。契約期間に満たない場合は、3カ月分の敷金が戻らないことがある。しかし自分で後釜を見つけた場合はたとえ契約期間未満でも、大家が退去後の修理、大掃除が不要と判断すれば敷金は戻ってくる。

 礼金、敷金は不動産会社が仲介した場合と個人が新聞広告などで見つけた物件とで大いに変わってくる。不動産会社を通した物件ならば、礼金・敷金とも3カ月分は支払わねばならない。敷金は不動産会社から大家に支払われる。不動産会社を通さなければ、礼金は不要だ。

 入居者は必ず「家の保険」に加入しなければいけない。月にたかが1500円くらいの掛け金だが、これが実はすぐれもの。暴風が吹き荒れ、半閉まりだった窓が割れたとする。証拠の写真データを保険会社に送ると新しい窓を業者が取り付けてくれる。請求書は保険会社へ行くので住人の負担はゼロ。

 泥棒が入り、30万円相当の貴金属、パソコンを盗まれた時も、警察の被害証明を提出したら30万円がきっちり戻ってきた。私は犬を飼っているから、さらに毎月ペット保険も払う。微々たる額だが、子犬時代に客のサンダルを噛みちぎった時は新しいサンダル代金が支給された。

 ウィーンのマンションは二つのカテゴリーに分かれる。一つはノイバウという第二次世界大戦後、すなわち1945年以降に建てられた物件。そしてアルトバウは戦前の建物だ。築100年など珍しくない。

 特に音楽家は練習に支障が少ない戦前の建物に住みたがる。

 好まれるのは駅近で、女性の一人歩きでも怖くない所。市内ならトラム、地下鉄が発達しているので、45分もあればどこでも行ける。学生は家具付きを好むが、OLは好みにうるさいので家具なしの希望が多いようだ。

 隣人のピアニストは大きなサロンに自身のピアノを置いている。夜10時まで音出し可能だからこのマンションを気にいっている。音楽家にとってアルトバウは強い味方なのだ。

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