2008年9月24日
玄関前にあるパティオの側面。すでに張りつけられた枠が落ちた状態
ガレージから玄関につながる階段。手すりと階段の間にある鉄の先が腐った状態
キッチンにあるコンロの後ろ側の壁。白い貝殻の洗練されたタイルだが、タイルの間にはすき間が……
アパート入り口の天井付近。壁の間にすき間があり、柱の横の壁が落ちた状態
アパートを支える柱。地震で柱が折れた時には、建物が崩れるだろうか?
ガレージの天井部分。配水管の水漏れ修理「後」にできた2カ所の穴
日本の建築物には日本人の性格がよく表れている。精密な設計と緻密な作業によって、きっちりとつくられた建築物。また、厳寒、酷暑と季節の差がはっきりしていることから、建物も気候の変化に耐えられる材質や構造が必要だ。屋根には頑丈な瓦を張り、台風が来た時を想定して雨戸が取りつけられるなど、細部に行き渡る配慮がうかがえる。
ところが、アメリカでも年中温暖で季節感があまりなく、台風のような暴風雨はおろか雨も少ないロサンゼルスでは、天井にベニヤ板を張り、瓦に見せかけた薄い板を張ってしまえば、建築は終了だ。
このため、私が通っていた大学の校舎では、雨が降れば雨漏りし、バケツで水を受ける光景をよく見かけた。友だちのアパートでも「雨漏りがひどかった」という話をよく耳にする。
現在、私が住むアパートはすでに築50年を超えた。建物が古いせいか、壁と壁の間にすき間があり、壁が波打ったような状態になっている部分が数カ所ある。
また、傾斜を生かした設計のため、入り口が1階にあるアパートは、奥へ行くと2階になっているという具合だ。アパートの中心部は一方の側面が柱1本だけで支えられている状態だ。
このような状態でも普段はまったく気にならない。ところが、先日の地震で「床の下は柱以外に何もない。そこにあるのは空間だけだ」と実感し、アパートのもろさを感じた。この柱が折れたら、アパートは一気に崩れ落ちることはまちがいないだろう。
もちろん、建物が古いなら当然かもしれない。ところが、去年、散歩コースにある億単位の物件を、建築のはじまりから終わりまで何となく眺めていた時期がある。驚いたのが、壁や枠に使われた板だ。
それぞれの板がまっすぐに切られていないので、壁を作る時に並べると、すき間ができる。それでも、そのすき間が別の板によって埋められることなくコンクリートで固められていった。また、途中、木が欠けている部分がある板もパテなどで埋められることなく、そのまま使われていた。「大雑把なアメリカ人」と言ってしまえばそれまでだが、日本人である私が細かいことを言い過ぎるのだろうか。それでも、この物件は確か1億円以上するのではなかっただろうか……。
7月末にマグニチュード5.4の地震が襲ったばかりのロサンゼルス。大きな地震が来ることを想定すると、建物が崩壊される前にアメリカを離れたほうが無難なのだろうか。