新型インフルエンザに的確に対応しようと、神奈川県は、行動計画を改定した。05年12月に策定した計画でわかりにくいとの指摘が多かった専門用語の表記をやめた。県民に内容を実感してもらう表現に努め、県内市町村との連携を密にして全県的な「危機管理態勢の構築」に力点を置いた。在日米軍との連携も新たに打ち出した。(岩堀滋)
従来の行動計画では、発生後の感染予防と「封じ込め」が主な内容だった。厚生労働省が07年10月に改定した行動計画では、東南アジアで鳥インフルエンザに人が感染して死者が相次いだことなどを踏まえ、少なくとも海外で新型インフルエンザが発生した後の対応を重視。県の改定もこれに準拠した。
具体的には、海外で発生後なるべく早期に知事を本部長とする「県危機管理対策本部」を立ち上げるとともに、患者の早期発見を目的に発熱相談センターを設置する。国内で発生した後は、県内でも多数の患者が医療機関に入院することが予想されるため、新型インフルエンザ患者とそれ以外の患者とを分ける発熱外来を置くなどの内容だ。
国の行動計画では世界保健機関(WHO)の定義に基づく流行区分として「フェーズ」という専門用語が使われるが、県の行動計画は「海外発生早期」「国内感染拡大期」「国内流行期」などと具体的な表現にした。
同様の行動計画は政令指定都市の横浜市などにもあり、県の行動計画との連携が課題とされていた。県保健福祉部は「整合性をとるために、情報交換を密接にしたい」としている。県は今後、市町村単位での訓練などにも力を入れる方針だ。
県内には米軍施設が多く、不特定多数が出入りすることから、在日米軍と定期的に情報交換を行うことも新たに盛り込まれた。
米国疾病管理センターの推計を県に当てはめた場合、医療機関を受診する患者は約118万人で、入院患者は約2万9千人、死者の数は約6800人とされる。
県は「行動計画に伴い、きめ細かくわかりやすい情報提供を心がけ、被害を最小限に食い止めたい」としている。