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乳がんかも…画像診断 医師補助するソフト開発

2008年12月31日23時18分

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写真CAD画像上の乳房には「▽」(○で囲った部分)でがん細胞が示され、医師に注意を促す

 岐阜大学大学院医学系研究科の藤田広志教授(知能イメージ情報学)の研究グループが、超音波で撮影した女性の乳房画像をコンピューターで分析し、乳がんの可能性がある部位を医師に知らせるソフト「乳腺超音波画像コンピューター支援診断(CAD)システム」を開発した。医師の診断をコンピューターで補助することで、がんを見落とす確率が大幅に減ると期待される。

 CADは超音波で乳房を撮影し、3次元の立体画像にしてコンピューターで分析。乳がんの恐れがある部分を画面上で矢印などで示すことで医師に注意を促す。検診車などによる集団検診や人間ドックでの使用を想定しており、一度に多くの画像を診断する医師を補助し、乳がんを見落とす確率を減らすことを目指している。

 乳がんは女性のがん罹患(りかん)率1位。現在の乳がん検診はマンモグラフィー(乳房X線撮影)が主流だが、母乳をつくる組織の乳腺が白く映るため、乳腺密度が高い若年層だとがんが見えにくく、小さながん細胞だと見落とす可能性もあるという。

 藤田教授らは、超音波で撮影すると、がんの部位が黒く丸い影として映ることに注目。これまでに乳がん患者の画像データ約109症例を集め、がん細胞を識別するようにプログラムを作成した。

 とはいえ、約150枚に上る超音波の立体画像解析で、がんに似た細胞に反応する「偽陽性候補」が平均4カ所あるなど、最近の実験でCADによるがん検出率は81%。

 共同研究者の福岡大輔・岐阜大准教授は「医師のうっかりミスを防ぐのが主目的なので、必ずしも検出率100%でなくてもいいが、1千症例ぐらい集め、もう少し精度を上げたい」と話す。千差万別の乳がんの形態などを記憶し、自動診断する自己学習機能の向上も課題という。

 研究は文部科学省の知的クラスター創成事業の一環で、産学協同による地域経済の活性化が目的のため、将来の商業化が求められている。企業などと協力して来夏にも医療機関向けに商品化する予定。藤田教授は「人種的な特徴なのだろうが、アジア人は欧米人より乳腺密度が高い人が多い。需要はあると思う」と話す。11月30日に米シカゴであった北米医学放射線学会で研究成果を発表するなど、世界でも注目されている。

 国立病院機構名古屋医療センター放射線科の遠藤登喜子部長は「超音波は撮影画像が膨大。コンピューターで診断を支援してくれたら助かる。マンモグラフィーと補完し合えば、乳がんの早期発見に大きく役立つだろう」と期待している。(鷹見正之)

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