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カニ玉

2008年10月29日

  • 教える人・高城順子

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カニ玉 撮影・大山克巳

 カニのうまみがとけ込んだ卵に、甘酸っぱいあんがとろり。花にたとえた中国名「芙蓉蟹(フーヨーハイ)」の通り、大皿で出せば食卓が華やぐごちそうです。

 材料と手順はいたって単純なのに、エイヤッと裏返し、丸く作れるかが心配の種。料理研究家の高城順子さんも、友人の家を訪ねると、待ってましたとばかりにリクエストされる、といいます。

 「一気に返すのが無理ならば、三つに分けて返しましょう。丸くできなくたっていいのです。上にあんをかけますから、失敗と思わないで」

 本来は中華鍋の丸いカーブに沿って滑らせるので、きれいに裏返るのです。形も自然と、中央が盛り上がった円盤形になります。

 底が平らなフライパンではそうはいきません。今回は、中華鍋に形が近い、樹脂加工の炒(いた)め鍋を使いました。

 ふんわり焼くコツは、油を十分に使い、高温で手早く調理することです。鉄鍋は油から薄く煙が立つまで、樹脂加工鍋なら油の表面がゆらりと泳ぎ始めるまで、熱します。

 ジュワッと卵を一気に入れたら、すぐに混ぜたいところを少し我慢します。「沸騰するように、グワグワ膨らむのを待ちましょう」と高城さん。周りから大きく混ぜて、空気と油を抱き込ませます。

 中央はまだ半熟で、底に少し焼き色がついた状態になったら、3分の1程度ずつに分けて、ヘラで裏返します。軟らかいので、丸く整えながら焼く間にくっつきます。

 再び底に焼き色が付いたら、今度はヘラを下に差し込み、丸ごと裏返します。かなり固まっているので、そう苦労しないはずです。

 卵は余熱でどんどん硬くなります。あんは前もって作っておき、焼きたてをどうぞ。

    ◇

 卵はビタミンC以外の栄養素をすべて含む、優秀な食品。卵黄のレシチンは、血中のコレステロールを調整し動脈硬化を防ぐ。良質のたんぱく質として1日に1個は取りたい。野菜たっぷりの副菜を組み合わせて。

献立例=ご飯、豆腐と長ネギのスープ、ブロッコリーとニンジンのピリ辛あえ、柿

(管理栄養士・宗像伸子)

レシピ

1人前235キロカロリー、塩分2.1グラム

【材料】(2人前)

卵3個、塩小さじ4分の1、コショウ少々、カニの身70グラム(缶詰やカニ風味かまぼこでも可)、タケノコ(水煮)30グラム、長ネギ4分の1本(25グラム)、サラダ油大さじ1〜1.5、あんの材料(スープ半カップ、しょうゆ、砂糖各大さじ半分、塩少々、酢小さじ1、ショウガ汁少々、片栗粉小さじ1強)

(1)カニの身は軟骨を取り除き、細かくほぐす。長ネギは小口切りに、タケノコは縦に厚さ3、4ミリの薄切りにしてから幅3、4ミリの細切りにする。

(2)卵を溶きほぐし、塩、コショウを加え、(1)の具材を加えて混ぜ合わせる。

(3)あんを作る。スープ、しょうゆ、砂糖、塩を小鍋に入れて中火にかける。煮立ったら酢、ショウガ汁を加えて混ぜ、ひと煮立ちしたら、片栗粉を水大さじ1で溶いて加え、とろみをつける。

(4)鍋にサラダ油を入れて強火で熱し、卵液を一気に流し入れる。周りが固まってふくらんできたら大きく混ぜ、形を整える。中央は半熟状で、底に少し焼き色がついてきたら、ヘラで卵をすくい上げて返す。縁を少しずつ内側に返しながら、丸く整える。

(5)ヘラをしっかり卵の下に入れ、奥から手前に、思い切って一気に裏返す。中央にふっくら弾力がある状態で、底に焼き色がついたら皿に盛り、あんをかける。

プロフィール

高城順子 (たかぎ じゅんこ)
料理研究家。大阪府生まれ。和・洋・中の専門家に師事した後、料理教室の講師を経てフリー。雑誌、テレビの料理番組などで活躍。

プロフィール

根岸規雄 (ねぎし のりお)
ホテルオークラ東京総料理長。埼玉県生まれ。61年同ホテルに入社、フランス料理に取り組み、01年に総料理長に就任。

プロフィール

浜田ひろみ (はまだ ひろみ) 
料理研究家。岡山県生まれ。大手家電メーカーに勤務後、独立。クッキングスタジオを主宰し、料理指導のほか食品CM制作にも参加。

プロフィール

土井信子 (どい のぶこ)
家庭料理研究家。大阪府生まれ。故土井勝氏と結婚、料理学校を開設。夫の死後閉鎖し、現在は高齢者向け教室などで教える。

プロフィール

宗像伸子 (むなかた のぶこ) 
管理栄養士。東京都生まれ。病院の栄養部勤務の後、独立。病院や企業の栄養コンサルタントのほか、テレビや雑誌で健康を維持する食事を解説。
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