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日本を変えるか、ファストファッション旋風

2008年12月24日

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写真H&M原宿店には、開店から1カ月たったいまも週末には入店待ちの行列ができる=14日午後3時10分、東京都渋谷区

写真トップショップ/トップマンは、ラフォーレ原宿の店舗を拡大リニューアル。すぐ先にはH&M原宿店のビルが見える=東京都渋谷区

写真ZARA原宿店

 消費不況と言われ百貨店や高級ブランドが苦戦する中、今秋日本に初出店したH&Mには今も客足が絶えない。トレンドをおさえたデザインと1万円あれば全身そろう低価格で新商品を次々に投入し、新たな客を呼び込む。「ファストファッション」と呼ばれるそのビジネスは、日本の若者の装いを変えていくのか。(菅野俊秀)

 「ファッションとクオリティーを最良の価格で提供する」というスウェーデン発のH&Mが9月、東京・銀座に出店した。様々なメディアが事前に取り上げたこともあり、開店前に3千人が並び、初日に8300人が来店。11月の原宿店の開店日には約9千人が詰めかけた。

 カットソーやTシャツは2、3千円から。ウールのコートも1万円台半ばから並ぶ。アイテム、デザインは多彩。100人のデザイナーが世界中のトレンドを分析し、32カ国1600店に毎日新商品を投入する。

 H&M原宿店の目と鼻の先、ラフォーレ原宿に出店する英国のトップショップ/トップマンも10月に拡大リニューアルした。「ハイストリートファッション」を掲げ、毎週、新商品を発売。価格はH&Mより全体的にやや高めだが、拡大後の売り上げは計画の50%増しという。

 両店がある渋谷区神宮前交差点付近には、98年にユニクロ、99年に米国のGAP、02年にはスペインのZARAが、それぞれ旗艦店を出店。

 差別化も重要だ。トップショップはトップモデル、ケイト・モスの名を冠した特別ラインを展開。H&Mは川久保玲のコムデギャルソンと協業した水玉の服や香水などを限定販売し、完売した。

 売り場は常に更新されて新鮮さと値頃感を保つ一方で、商品は売れた瞬間から鮮度を失う宿命も持つ。ファストフードになぞらえ、ファストファッションと言われるゆえんだ。

 H&Mジャパンのミエ・アントンPRコミュニケーションマネジャーは「商品開発には手間ひまかけ、気持ちも込めている」とした上で、「私たちが提案しているのは、低コストでおしゃれができるデモクラティック(民主的な)ファッション。今の時代だからこそ求められている」と話す。

 一方、トップショップを運営するティーズの高橋秀樹社長は、高価なものがステータスだと思う人が減っていると指摘。「個性的で鮮度の高いファッションを、『安い』というより『買える価格』で提案していく」

 H&Mは来年、渋谷と新宿に進出するほか、順次、全国展開したい考え。トップショップも今後3年で10店以上の出店を目指す。

 迎え撃つ渋谷109の相馬邦夫総支配人は「スピード感は大切だが、うちとはノウハウが違う」。小回りの利くテナントが現場で売れ筋を見極め、「マスではなく、個々の店でファストファッションが成立し、結果として109全体が多様なトレンド発信基地になる。それを10年前からやってきた」と自信をのぞかせる。

 H&Mは渋谷にも行列を作るのか。

 共立女子短大の渡辺明日香専任講師(ストリートファッション研究)は現在の“H&M現象”はメディアの影響で過熱していると見る。高級ブランド離れは起きているが、それは不景気のせいばかりではないとも渡辺さんはいう。「ブランド品も古着も同じように着こなす日本の若者を、新しさと価格だけで長く引きつけることは難しい。組み合わせの選択肢のひとつとしてうまく活用されていくのでは」と話す。

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