気象観測気球高度化のイメージ
天気予報に欠かせない上空の気圧や気温を観測して、データを無線で送る気象観測用の気球が、来年度から無線技術の高度化で多数飛ばせるようになる。総務省が必要な省令を改正することを決めた。予報精度の向上や局所的な気象観測への貢献が期待される。
観測気球は、ゴム製の気球に無線機付きの観測機器を取り付けたもので「ラジオゾンデ」と呼ばれる。世界中で活用され、国内では気象庁や防衛省、研究機関、民間の気象会社などが使用。観測データは、日々の天気予報の基礎データとなるほか、気候変動や地球環境監視、航空機の運航管理にも利用されている。
気象庁と防衛省は国内18カ所の観測所と南極昭和基地で毎日2回、午前9時と午後9時に調査。上空約30キロまで上がる過程で、気温や湿度、気圧、風向き、風速を観測し、観測所に無線で送る。ただ電波が半径200キロの範囲で届くため、近くで同時に複数のラジオゾンデをあげると、混信を起こして使えない欠点があった。
今回、一つのラジオゾンデが送信時に使う周波数の幅を狭くできる技術が、安い費用で実用化できるメドがついた。理論的には最大で25個のラジオゾンデを混信させることなく同時に使用できるようになる。多数地点での同時観測や短時間での連続観測、複数の観測機器の同時使用が可能になり、より詳細な調査ができる。
総務省の担当者は、「細かいデータをとることが可能になり、ゲリラ豪雨のような局所的な気象の予報に役立つことも期待できる」と話している。(木村和規)