考古学の魅力を語るザヒ・ハワス氏
世界七不思議の一つとされてきたエジプトのピラミッド。中でも最大のクフ王の大ピラミッドをターゲットに、未知の埋葬室を探索するプロジェクトが進行中だ。それらをテーマにしたテレビの特別番組に出演するため来日したエジプト考古庁長官のザヒ・ハワス氏に聞いた。
クフ王のピラミッドは高さ約140メートル。約4500年前に建造された。「王の間」と呼ばれる部屋は確認されているが、ミイラは見つかっていない。このため、吉村作治・サイバー大学長のように「ピラミッドは墓ではない」と言う研究者もいる。しかし、ハワス氏は「墓に間違いない」と主張、探索を続けてきた。
番組では、王妃の間から延びる通気孔に注目、小型ロボットで内部を探る様子が紹介される。「通気孔内部には複数の扉が設置されていて、まだ先に進めないのだが、その先にはクフ王の埋葬室の手がかりがある可能性が高い」
扉の向こうをのぞくべく、通気孔と同じ構造のトンネルを作り、実験を続けている。「来年こそピラミッドの謎を解き明かしたい」
ハワス氏は歴代の王が眠る「王家の谷」の発掘プロジェクトにも力を入れる。今年、初めてエジプト人だけの発掘チームを編成。「エジプトには毎年、200近い外国の調査隊がくる。排除するつもりはないけれど、地元の私たちだけでやり遂げることには大きな意味がある」と話す。
エジプト隊はこのほど、黄金のマスクで有名なツタンカーメン王の墓の前に、未知の墓が存在する証拠を発見した。「王の親族の墓ではないか。09年のエジプト考古学は間違いなく熱くなる」
ハトシェプスト女王のミイラの特定など、数々の発見を遂げてきた。「今の仕事ができて本当に幸せだ。だが、単に好きだというだけでは十分ではない。そこに情熱を与えてこそ大きなものが達成できる。考古学を通じ、そのことを子どもたちに伝えていきたい」(宮代栄一)
◇ハワス氏が出演する「古代エジプト三大ミステリー」は30日午後6時から、日本テレビ系で。