トヨタ自動車は20日、超小型車「iQ(アイキュー)」を発売した。発売前から試乗会を開いたり、細かな性能をインターネットなどで公開したりして話題をつくる異例の販売促進策を進め、発売前に4千台以上を受注した。国内市場の低迷を打開する起爆剤になるか。売れ行きが注目される。
インターネット上の動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」で「iQ」と入れて検索すると、2台のiQが乗用車1台分の駐車スペースに滑り込んで止まる動画が流れる。iQの売り文句の「全長3メートル以下で4人乗り。キビキビした運動性能」という特徴を分かりやすく伝えようと、トヨタが発売前から流していた。
トヨタの異例の事前PRはこれにとどまらない。発売の2カ月も前の9月から一般客向けの試乗会を開催。試乗者が乗車体験を書き込んだブログをトヨタが開設したホームページから訪問できるようにした。
通常は発売前に明かさない車の細かな性能を、iQに限って公開し、メディアへの露出度を高めた。
さらに、新車発表から発売まで1カ月以上あけ、通常は発売後に始める、ネットを窓口にした販売店紹介を事前に実施。事前注文だけで、月間販売目標(2500台)を大きく上回った。
トヨタの今年1〜9月の国内累計販売台数は前年同期比3.3%減の116万4千台。軽自動車を除くシェアは同0.6ポイント減の45.1%とふるわない。
iQは11月に今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたこともあり、「低迷する国内販売の起爆剤にしたい」(ネッツトヨタ愛知プラザ安城の冨田守孝店長)と期待が高まっている。
とはいえ、既存の軽自動車や小型車との競合にさらされるのは必至だ。4人乗りなのに全長が3メートル未満と小ささはずば抜けているが、排気量が約1リットルの主な車(スズキのワゴンRは0.658リットル)と比べても、伯仲する要素が多い。トヨタは今後も息の長い販促策を展開しそうだ。